こんにちは。
葛飾区立石の葬祭場「想送庵カノン」です。
先日介護士さんを対象としたターミナル・ケア(終末期ケア)の講師をして感じたことをお話しさせていただければと思います。
印象に残っているのは「長い間お世話をして来た方がお亡くなりになると、やっぱり悲しいし辛い。何人見送っても慣れない」と、皆さん口を揃えて仰っていたこと。
「でも家族でもない自分たちがそれを口に出して良いものか」と言うことでした。
実は先日、施設にお世話になっていた義母が老衰で亡くなりました。
旅立つ1か月前に傾眠傾向が強く経口での水分補給もままならないので、終末期に入ったと施設と在宅医の先生から説明を受けていた私たちは96歳という年齢からも覚悟はできていました。
眠ったまま旅立った義母の側には介護士さんが付き添ってくださっていました。
「明るい笑顔がもう見られないと思うと悲しい」と言って涙ぐんで下さった介護士さん。
感染症の影響で充分に会えない時期もあり、ようやく会えたこの一年でさえ、私は二ヶ月に一回30分程度しか共に過ごせませんでした。
下の世話も一度もしていません。
配慮の行き届いたターミナルケアを受けて旅立った義母の体は床ずれひとつなくとてもきれいでした。
介護士さんたちは義母にとっては家族以上の存在であったはずです。
悲しくて当たり前だと痛感すると共に「こうして10年間も大切に義母を介護下さった方たちを、自分は十分にねぎらえていたのだろうか」と言うことでした。
ターミナルケアは介護する側の心遣いで身体に大きな違いが出ます。
少しでも不快感なくという配慮を続けて下さった介護士の皆さんが看取り後に感じる喪失感を、利用するご家族にも知ってもらいたい。
そうして介護士さん達に感謝の気持ちを持ち、労いの言葉をかけて貰いたいと、今回久しぶりに介護施設で講師をしてきて若い介護士さんのお話を聞いて強く思いました。
介護は過酷な労働です。
家族に代わって日々一生懸命介護してくださった介護士さんに精一杯感謝の気持ちを伝えたい。居室の片づけは終わりましたが、もう一度お礼に訪れたいと思います。
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