
学校法人東京観光専門学校 (http://www.tit.ac.jp) の授業の一環として、2週に渡り、カノンルームで模擬葬儀が行われました。 今回は模擬葬儀に参加した学生、吉田さんにお話しをお伺いしました。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

学校法人 東京観光専門学校 葬祭ディレクター学科 葬祭ディレクター専攻 1年 吉田さん
なぜ葬祭ディレクターを目指すのか〜学生さんインタビュー
高校2年生の頃、アメリカ・ペンシルバニア州のフィラデルフィアに3ヶ月の短期留学をしました。海外の福祉に興味があり、この目で見たいと思っていたのです。私には障害者認定一級を受ける姉がいます。車椅子で生活している姉と暮らす中で、バリアフリーに対して改善すべき点を日常的に感じていました。私は日本の社会福祉は発展していると思っていましたが、果たして本当にそうなのか、この目で確かめたくて留学を決めました。また、日本よりも優れたものがあれば、持ち帰り、広めたいという目的もありました。アメリカでは福祉の現場に実際に触れたいと思い、3ヶ月間語学学校と並行して、地域の老人ホームで働かせていただきました。私は当時、バリアフリーに関して日本の方が進んでいるのではないかと考えていましたが、実際行ってみるとそんな事はなく、アメリカにもスロープはありますし、バスの車椅子用スペースもありました。しかし、これは確実に日本と違うなと感じた場面がありました。私が公共バスに乗っている時に、車椅子の方が乗ってきました。運転手が車椅子をバスの車椅子用スペースに固定し始めると同時に周りの乗客も率先して手伝い始めたのです。日本で全くありえないという事はないですが、ほとんどの方は傍観すると思いますし、実際自分が同じ状況になったら手を差し伸べたい気持ちはあっても躊躇してしまうと思います。
留学に行った事で気づいたことは、アメリカでは困った人に対し躊躇なく手を差し伸べるのに対し、日本では、誰かが困らないように、快い気持ちでいられるように行動しているのではないか、ということです。そこには “やっている”という意識はなく、当たり前のように相手のことを考える、日本人ならではの姿勢が表れているとも感じました。そのような相手の行動を予測する日本人独特の思いやりやホスピタリティに興味を持ち、それを活かせる仕事に就きたいと考えました。
またその頃、知り合いの葬儀に出席する機会があり、葬祭業に関わる方にお話しを伺ったんです。葬祭業の方たちが接するお客様は、みなさん大切な方を失くして、つらい状況にいらっしゃいます。そんな方お一人お一人にどのような心配りをしているか、どのようなサービスをご提供しているか、難しい課題をひとつひとつ解決していくお話しをお伺いして、これはやりがいのある仕事だと感じたんです。そこで、葬祭ディレクターを目指したいと思うようになりました。
東京観光専門学校の葬祭ディレクター学科だからこその授業といえば、フューネラルセレモニー実習です。模擬葬儀などの実習を通じて、実際にストレッチャーの動かし方を教わるなど実践につながる内容で、勉強になります。模擬葬儀では、スタッフ役と参列者役、どちらも体験します。参列する側になってわかったことは、スタッフが流れを理解して案内してくれると、こちらは安心してついていけます。逆に、スタッフの言葉に迷いがあると、参列者はとても戸惑ってしまいます。リアルな実習なので、実際におきることを体験できるのがとてもよかったです。自分がスタッフ役になるときは、状況を理解して参列者のみなさんにわかりやすくご案内するよう心がけました。そして、ご遺族の方が故人様に気持ちを伝えられる時間をしっかりおとりすることも大事だと思いました
私は「悔いのない葬儀」を作り上げられる葬祭ディレクターになりたいと考えています。ご遺族が故人様と過ごす最後の時間、何をどのようにしたら後悔のないお別れができるのかを第一に考え、ホスピタリティを大切にできる葬祭ディレクターになりたいです。それと、私自身は自分の気持ちを周りの人に伝えるのが苦手なんです。例えば、専門学校に通うようになってから一人暮らしを始めて、あらためて両親への感謝を感じているのですが、この気持ちをまだきちんと伝えられていません。自分の親にもしものことがあったらと考えると、今の自分には後悔しか残りません。まずは自分がそういう気持ちを伝えられるようになりたいです。日々過ごしていく中で、自分にとって大切な人のことを想うことも、きっと後悔のない葬儀を作ることにつながるのではないかと思っています。

模擬葬儀中の吉田さん
まっすぐな眼差しで質問に答えて下さった吉田さん、ありがとうございました。ご遺族と寄り添える、すてきな葬祭ディレクターになってくださいね。カノンスタッフ一同、応援しております!
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