【お別れの出来なかったお別れ ~ 御巣鷹の峰に散った友を想う】
- kaneko247
- 8月12日
- 読了時間: 2分
こんにちは。
葛飾区立石の葬祭場「想送庵カノン」です。
地方ではお盆の季節ですが、私にとっては御巣鷹山の日航機事故を思い出す季節でもあります。
あれからもう40年が経ちます。
私が抱き続けている「お別れの出来なかったお別れ」についてお話をしてみようと思います
あの日航機には私の友人が乗っていました。
当時学生だった私とその友人はサークルの合宿で軽井沢にいました。そうしてそのたった1週間後に起きたあの事故。
犠牲者の中に友人の名前を見つけた私は本当に息が止まりました。
地方から上京して寮住まいの彼女が、実家に帰ってどのように弔われたのか、一切わかりませんでした。
ご両親の心情を考えると、無闇に連絡をする事も憚られ、子供だった私は何もできず、
只々彼女の笑顔を思い出していました。
ですので私の中ではその友人とのきちんとした「お別れ」が出来ていません。
つまり私の中ではその友人の「弔い」がいつまで経っても終わっていないのです。
結婚し母になり、忙しい日々ですが、毎年旧盆が近づくと、思い返さない年はありません。彼女の顔もうろ覚えになって来ましたが、それでも終われない想いがいつまでも燻っているのです。
あれから40年が経ち、弔い業界に身を置く立場になり、様々な弔いを見て来ました。
最近は近親者のみでご葬儀を執り行う「家族葬」が当たり前になる中で、心が騒つく事があります。
故人さまと生前交流があった友人知人の中には、やはり列席して「弔い」たいと望む方もいるのではないかと。
そう言う方たちの事も考えて、欲しいと思うのです。
この時期が来ると毎年そう考えてしまいます。
カノンに面会にいらして下さる方の中には、葬儀に参列できない方も多くいらして、最後に会えて本当に良かったとおっしゃってお帰りになります。
そんな姿を見る日々から、故人に会う事が弔いの本質なのだと思う様になりました。
私も最後に彼女に会えていたら供養のステージに進めたと思うのです。

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